今回は既存環境をVCFにする『ブラウンフィールド』について解説したいと思います。
ブラウンフィールド方式を簡単に説明すると、既存の環境に SDDC Manager をデプロイしてマネジメントドメインへ変換するVCF Import Tools のコマンドを実行するという流れになります。
言ってしまうと簡単なんですが、それを実行するには準備が必要です。
マネジメントドメインへ変換(Convert)するには以下が固有の条件となります。
・ESXi 8.0 U3 以上のバージョンを使っている
・vCenter 8.0 U3a 以上のバージョンを使っている
・自分が管理しているESXiたちのいずれかで動作している
VIドメインとして移行(Import)するには以下が固有の条件となります。
・ESXi 7.0 U3g 以上のバージョンを使っている
・vCenter 7.0 U3h 以上のバージョンを使っている
共通の条件は以下です。
・VCとESXiは構築済み
・クラスター内のホストは同一の構成
・利用可能なストレージはvSAN、NFS、FCの3種類
・クラスタ内ではvDSを使い、VSSは削除しておく
・DRSは完全自動化モード
・VCの拡張リンクモードはサポート対象外
・NSXが構成されている環境はサポート対象外
・VxRailはサポート対象外
・vSANストレッチクラスターはサポート対象外
詳細はこちらをご確認ください。
https://techdocs.broadcom.com/jp/ja/vmware-cis/vcf/vcf-5-2-and-earlier/5-2/map-for-administering-vcf-5-2/importing-existing-vsphere-environments-admin.html
必要になる、VCF Import Tool とデプロイする SDDC Manager の OVAファイル、変換及び移行時に NSX Manager の展開も行う場合に使う NSX Manager のインストールバンドルをダウンロードします。
ダウンロードはBroadcomのダウンロードサイトでVCFを開き「Drivers & Tools」に表示を切り替えます。
以下をダウンロードしておきます。
マネジメントドメインへの変換を行っていきます。
手順はこちらを参考にしています。
https://techdocs.broadcom.com/jp/ja/vmware-cis/vcf/vcf-5-2-and-earlier/5-2/copy-the-vcf-import-tool-to-the-target-vcenter-appliance.html
何をやるかというと以下になります。
・事前チェックを行うためダウンロードしたVCF Import Toolを転送します。
・root ユーザーでVCにログインし、転送したファイルを解凍します。
・展開時に作成されたコマンドのあるディレクトリに移動して、事前チェックのコマンドを実行します。
この事前チェックで失敗した場合は、出力されているファイルから何が問題だったか確認します。
[2024-08-26 07:24:58,337] [INFO] check_domain: For more details, please, check: Failed guardrails YML: /home/vcf/vcfimport/vcf-brownfield-import-5.2.0.0-24108578/vcf-brownfield-toolset/output/guardrails_report_vcf-mport.snt.lab.yml Failed guardrails CSV: /home/vcf/vcfimport/vcf-brownfield-import-5.2.0.0-24108578/vcf-brownfield-toolset/output/guardrails_report_vcf-mport.snt.lab.csv All guardrails CSV: /home/vcf/vcfimport/vcf-brownfield-import-5.2.0.0-24108578/vcf-brownfield-toolset/output/guardrails_report_vcf-mport.snt.lab.csv中を見てみると以下のように何が問題だったか教えてくれます。
それを見て問題を解消しましょう。
今回は HA/DRS の設定が問題でした。
- Object Type: cluster Object Name: Cluster Day-N Operation: ESX Upgrade Severity Level: ERROR Status: VALIDATION_FAILED Check Name: Cluster HA/DRS Description: Check if cluster has HA & DRS enabled Details: Cluster should have HA enabled & DRS fully automated Remediation: Enable HA & configure DRS to be fully automated on the clusterちなみに、ERRORは対応が必要ですが、WARNINGについては対処しなくても進めることができます。
チェックが完了したら使ったツールは削除するようにドキュメントに記載があります。
・チェックが完了したら SDDC Manager を展開します。
ちなみにこの時点で SDDC Manager にブラウザからアクセスすると以下のようになります。
・SDDC Manager の展開が終わったら VCF Import Toolを SDDC Manager に転送します。
・NSX Manager の展開も行う場合は、展開時に指定するNSXの情報を記載したJSONファイルを作成します。
NSXの展開を行う場合はインストールバンドルを SDDC Manager にアップロードしておきます。
・コマンドを実行します
NSXあり
python3 vcf_brownfield.py convert --vcenter 'NSXなし' --sso-user ' ' --domain-name ' ' --nsx-deployment-spec-path ' '
python3 vcf_brownfield.py convert --vcenter '・処理が終了したらサービスを再起動します。' --sso-user ' ' --domain-name ' ' --skip-nsx-deployment
echo 'y' | /opt/vmware/vcf/operationsmanager/scripts/cli/sddcmanager_restart_services.shこの後は、グリーンフィールドの時と同じように SDDC Manager へログインが可能になります。
ブラウンフィールドでのVCF(マネジメントドメイン)の作成方法でした。