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この記事の内容は、個人の見解、検証の範囲のものであり、誤りがある可能性があります。
個人の責任において情報活用をお願いします。


ラベル Chrome Remote Desktop の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2023年8月4日金曜日

海外でのワーケーションを考える その7 Google CloudでChrome Remote Desktopを利用する


「海外でのワーケーションを考える」7回目の投稿です。

まとめはこちら

https://techblog-cidept.blogspot.com/2023/08/blog-post.html


前回は、Google Chrome Remote Desktopの通信について、調べてみました。

今回は、海外の旅行先の最寄りのGoogle Cloud リージョンにGoogle Chrome Remote Desktop用のVMインスタンスを作成してみます。Google Cloudは東南アジアのシンガポールとジャカルタにリージョンを展開しています。今回は、ジャカルタ リージョン(asia-southeast2)にインスタンスを作成します。


今回Google Cloudで構成するVMインスタンスは以下となります。

Google Cloud

 VM インスタンス

  • VMインスタンス名:crdhost
  • マシンタイプ:e2-medium
  • イメージ:debian-11-bullseye-v20230711
  • 他はデフォルトのまま
Google Cloud でGoogle Chrome Remote Desktopを利用するVMインスタンスの作成手順は以下のGoogle Cloudのドキュメントに記載されています。

Compute Engine での Linux 向け Chrome リモート デスクトップのセットアップ
https://cloud.google.com/architecture/chrome-desktop-remote-on-compute-engine?hl=ja

このドキュメントに沿って作成するとChrome Remote Desktop HostがインストールされたVMインスタンスを簡単に構築できます。

VMインスタンスを作成したあと、ドキュメントに準備されているChrome リモートデスクトップのインストール用スクリプトをコピー&ペーストしてインストールするだけです。ものすごく簡単です。


Google Cloud のコンピュートインスタンスの操作は、コンソールからSSHクライアントを起動して操作できます。コピー&ペーストまでできるのでとても便利です。


同様に用意されているX Windows System デスクトップ環境のスクリプトを利用してGUI環境をインストールします。低速なネットワーク経由のリモート接続には、Xfceが良いようなのでXfceを利用します。 好みに応じてDebianの日本語環境を整えます。今回は私の家族が使うことを想定していますので、日本語環境をインストールしました。Debian日本語環境のインストール方法はGoogle Cloud のドキュメントに記載されていないので、インターネット上に公開されているDebianの情報を参考に設定します。

X Windows System デスクトップ環境までインストールしたらChrome リモート デスクトップ サービスを構成してクライアントからジャカルタリージョンに構築したVMインスタンスへリモート接続できるように構成します。手順は前回の操作とそれほど変わりません。

構成が完了したら、クライアントから以下のURLにアクセスします。

https://remotedesktop.google.com/access

  

Google Chrome リモートデスクトップよりリモートアクセスを表示します。

作成したVMインスタンス「crdhost」が表示されオンラインになっています。


クリックしてリモート接続します。接続手順は前回と同じです。


ジャカルタリージョンのVMインスタンスにアクセスできました。


東京のクライアント → ジャカルタのVMインスタンス → 東京のホストへアクセスしてみました。若干のラグはありましたが、リモート操作も可能でした。この環境で家族に一度テストしてもらい、問題ないか確認してもらおうと思います。それでは。

2023年8月3日木曜日

海外でのワーケーションを考える その6 Google Chrome Remote Desktopの通信詳細を調べる


前回はGoogle Chrome Remote Desktopクライアントからホストへ接続してみました。

今回はGoogle Chrome Remote Desktopの通信について、調べてみたいと思います。

Google Chrome Remote Desktopの通信で利用されるプロトコルやポートについて、以下のドキュメントに記載されています。

Chrome リモート デスクトップを使って他のパソコンにアクセスする

https://support.google.com/chrome/answer/1649523


上記リンクの中に「問題解決のヒント」が記載されており、以下の記載がされています。

以下、抜粋です。

  • インターネット接続が必要
  • アウトバウンド UDP トラフィック
  • インバウンド UDP 応答
  • TCP ポート 443(HTTPS)のトラフィック
  • TCP と UDP のポート 3478(STUN)のトラフィック

UDP、TCP443、そして、STUN (Session Traversal Utilities for NATs) という技術が使われています。STUN (Session Traversal Utilities for NATs) とは何でしょうか?


STUNとは、Web RTC (Web Real-Time Communication)で利用されるNAT越え通信を解消するための仕組みです。以下の記事に詳しく書かれています。

初心者必見!よくわかるWebRTCの仕組み

https://cloudapi.kddi-web.com/magazine/webrtc/understood-webrtc-mechanism


また、以下のnoteの記事にもChrome リモートデスクトップ通信について詳しく説明されています。

Chrome リモートデスクトップの安全性について
https://note.com/machii_kuro/n/n420f3c05ffb9

この仕組みによってルーターに公開サーバーの設定をせずにGoogle Chrome Remote Desktopクライアントとホストの間で通信ができているのですね。


今回の目的は、旅先の東南アジアの滞在先から自宅のPCへリモート接続できることです。接続先PCがWindows10 Homeのため、Google Chrome Remote Desktopの利用を前提に検討したいと思います。

東南アジアから日本のPCへのP2P接続をどのように構築するか。
Google Cloudに何かドキュメントが無いかと思い探していたら以下の記載を見つけました。

Compute Engine での Linux 向け Chrome リモート デスクトップのセットアップ

LinuxでもChrome リモートデスクトップを利用できるようです。Windows版のドキュメントもありますが、コスト面からLinuxで構築したほうがコストを安く抑えられそうです。
Google Cloudはシンガポールとジャカルタにリージョンを展開しているので、どちらかにインスタンスを展開して利用できそうです。
Google Cloud 
Cloud のロケーション

東南アジアの滞在先から日本の自宅へ直接Google Chrome Remote Desktopで接続することもできそうですが、現地の通信状況がわからないため、クラウドが提供する広帯域ネットワークインフラの利用も検討しておいた方が無難に思えます。

次回は、Google Cloud にインスタンスを構築してGoogle Chrome Remote Desktopの動作を確認してみたいと思います。それでは。

2023年7月28日金曜日

海外でのワーケーションを考える その5 Windows Homeへの接続方法を検討する ②


前回はリモートデスクトップ接続先のWindows PCにChrome Remote Desktop Hostをインストールしました。今回は、Chrome Remote Desktopクライアントアプリから前回インストールしたChrome Remote Desktop Hostへリモート接続してみます。本番ではChromebookを利用しますが、今、手元にないのでAndroidのスマートフォン(Google Pixel7)からアクセスしてみたいと思います。

今回利用する環境は、以下の通りです。

クライアント
    ・スマートフォン Google Pixel 7
    ・前回Chrome Remote Desktop Hostを設定したGoogle アカウント
    ・スマートフォンのインターネット回線はモバイル回線を利用

ホスト
    ・前回Chrome Remote Desktop Hostを設定したWindows 11 Home
    ・インターネット回線のルーターには公開サーバーや1:1NATは設定していない
  (インターネット発信の通信は内部へアクセス不可)

それでは、Chrome Remote Desktopへ接続してみましょう。

  • スマートフォンにChrome Remote Desktopクライアントアプリをインストール
スマートフォンにChrome Remote DesktopクライアントアプリをインストールしていなかったのでPlayストアからアプリをインストールします。


インストール完了したらアプリを起動します。


テストプログラムに参加しないか、というお誘い画面が表示されたので、テスターになることにします。「BECOME A TESTER」をクリックします。


アプリの更新が必要なようなので、Playストアからアプリを更新します。


更新後、再度アプリを起動します。
右上のGoogle アカウントのアイコンがChrome Remote Desktop Hostと同じGoogle アカウントになっていることを確認します。
同じGoogle アカウントであれば、「リモートのデバイス」に前回インストールしたChrome Remote Desktop Host が表示されます。前回設定したリモートデバイス名「Chrome RD TEST W11」をタップします。


接続が開始されます。


PINの入力を求められます。
PINを入力して「→」をタップします。


接続中。。。


接続されるとクリップボードのデータへのアクセス許可を求めるポップアップが表示されます。「許可する」または「ブロック」をタップします。今回は「許可する」をタップします。


Windows11にアクセスできました。Windowsリモートデスクトップのようにリモートデスクトップ接続したら片方の接続が切られるような動作ではなく、Linuxなどで利用されるVNCのようにPC利用者、リモート利用者のどちらも同時に操作できるようです。


Windows11にはアクセスされていることが示されるポップアップが表示されます。


今回は、Chrome Remote DesktopクライアントアプリからChrome Remote Desktop Hostへ接続してみました。あっさりとスマートフォンからWindowsPCへ簡単にリモート接続できました。Chrome Remote Desktopは操作する側、される側で同じ画面を見られるのでITサポートでも活用できそうです。

今回操作してみて不思議に思ったことは、Windows PCが接続する自宅のインターネット回線の終端ルーターには公開サーバーなどインターネットから内部へのインバウンド通信を許可する設定は一切していないのにクライアントアプリからWindows PCへリモート接続できたことです。

次回はChrome Remote Desktopの通信詳細について調べてみたいと思います。
それでは。

2023年7月27日木曜日

海外でのワーケーションを考える その4 Windows Homeへの接続方法を検討する ①

ある日の 自宅にて。家族から以下の連絡をもらいました。

「チケット取った!x月x日から2週間、4年ぶりに東南アジアへ行ってくる!」

、、、ということで、本番日が決まってしまいました。

まだ検証できていないので早急にテストなど進めていこうと思います。

海外から接続したい自宅のPCはWindows10なのですが、エディションまで見ていませんでした。
(最初の要望をまとめたときに確認するのをすっかり失念していました。ここ重要ポイントなのに。。。)

恐らくHomeだろうと思いましたが、予想通りHomeでした。

Windows10 Homeへのリモートデスクトップ接続は何かしらアプリのインストールが必要なため、何にしようかと思いましたが、旅先へは薄くて軽いA4サイズのChromebookを渡すことにしたので、今回は「Chrome リモートデスクトップ」を試すことにしました。Chrome リモートデスクトップはVPN構築不要でリモート接続を利用できるサービスです。

前回までパブリック クラウドと自宅の間でIPsec VPNを構築しようと考えていましたが、やめることにして、今回はChrome リモートデスクトップだけ利用してみることにします。日程も迫っているので取り急ぎ、Chrome リモートデスクトップのテストをしたいと思います。

本番機のWindows10を検討段階で借りて使うと家族の業務に支障が出そうなのである程度の確認までは、手元にあるWindows11Homeで確認していこうと思います。

それでは、リモートデスクトップのアクセス先のWindowsを設定していきます。

この記事のテストで利用する環境

  • Windows11 Home
  • リモートデスクトップ接続で利用するGoogle アカウント
この記事でインストールするもの
  • Google Chrome Remote Desktop
    • Chrome 拡張機能
    • Host

以下を参考にインストーラーをダウンロードします。

Chrome リモート デスクトップを使って他のパソコンにアクセスする
パソコンでリモート アクセスを設定する

https://support.google.com/chrome/answer/1649523

Chrome リモートデスクトップのダウンロード

https://remotedesktop.google.com/access

以下のURLにアクセスすると、Chrome リモートデスクトップのページが表示されます。

https://remotedesktop.google.com/access

ダウンロードアイコンをクリックします。 

Chrome 拡張機能がインストールされていない場合、Chromeウェブストアの拡張機能 Chrome Remote Desktopのポップアップが表示されます。「Chrome に追加」をクリックしてChrome 拡張機能の「Chrome Remote Desktop」を追加します。


確認のポップアップが表示されるので「拡張機能を追加」をクリックします。


拡張機能が追加されました。


Chromeの拡張機能を確認して「Chrome Remote Desktop」が追加されていることを確認します。

再度、「https://remotedesktop.google.com/access」へアクセスします。
リモートアクセスの設定から「同意してインストール」をクリックします。


「Chrome Remote Desktop Host」のインストーラーがダウンロードされます。ダウンロードしたインストーラーを起動して「Chrome Remote Desktop Host」をインストールします。


インストールが完了したらWindowsのメニュー>アプリ>インストールされているアプリを表示して、「Chrome Remote Desktop Host」がインストールされていることを確認します。


再度、「https://remotedesktop.google.com/access」にアクセスします。
「名前の選択」画面が表示されるので、任意の名前を入力して「次へ」をクリックします。


アクセス時のPINを設定して「起動」をクリックします。


完了するとこのように表示されます。


リモートデスクトップ接続されるWindowsの設定が完了しました。
次回は、Chrome Remote Desktopクライアントアプリから今回設定したWindowsへリモート接続してみたいと思います。それでは。